サッカーをするという作業
2024/3/11
前回は由紀さんのサッカーの話「サッカー一直線」を書きました.
今日は皆さんと作業の見方で,このサッカーという作業を分析したいと思います.
サッカーという作業の見方を,お伝えしたいと思います.
状況から始め,
作業の三つの側面,つまり,作業の形態,
作業の機能,
作業の意味から見ていきたいと思います.
この作業のビッグピクチャーを見るために,
由紀がサッカーをしているところを想像してみましょう.
サッカーという作業
由紀がサッカーを続けながら,環境からの挑戦に立ち向かい,
良い状態になるため(適応するため)に選択してきたかを見ましょう.
1番目の挑戦は高校の進路決定です.
由紀は優秀なサッカー選手になるために,地元から離れた強豪校に進学し,
サッカーを続けました.
2番目の挑戦は職業選択です.
サッカーは続けたいが,プロのサッカー選手の可能性はないので,
自立して生活できる理学療法士を選択しました.
由紀は仕事には満足しましたが,
サッカーに打ち込む環境を得られずに後悔が残りました.
3番目の挑戦は,
社会人女子サッカーチームが創設されたことです.
由紀はサッカーで自分の力を発揮したかったので応募しました.
現在,社会人選手としてサッカーに打ち込み,充実した生活を送っています.
由紀にとって,サッカーは重要な意味のある作業です.
これまでの人生で,環境からの挑戦が来るたびに,
適応のために,どのようにサッカーに参加するか選択を迫られてきました.
由紀はその都度真剣に選択をしました.
1番目の挑戦では,優秀なサッカー選手になるために
高校でサッカーをすることを選択しました.
2番目の挑戦では,職業選択を優先しましたが,
サッカーに打ち込めずに後悔が残りました.
3番目の挑戦で,社会人女子サッカーチームに所属し,
自分にとって最高のチームを獲得し,サッカーができることに満足しています.
作業の形態:由紀は小学生のときから地元のサッカーチームで活躍してきました.
高校は,県外の女子サッカーの強豪校に進学し女子サッカー部で活躍しました.
将来自立するために,職業は理学療法士を選択し進学しましたが,
専門学校では,満足にプレーできませんでした.
現在は,理学療法士として常勤で働きながら,
社会人女子サッカーチームに選手として所属し,
週3回の合同練習,自主トレ,リーグ試合に参加しています.
作業の機能:サッカーは由紀のアイデンティティーをつくり上げてきました.
幼少期からサッカーを楽しみ,サッカーのために高校を選び,優秀な選手として活躍しました.
将来の仕事のため,一時期サッカーに打ち込めなかったときは苦しい思いをしました.
現在は,社会人女子サッカーチームに所属して,
存分にサッカーに打ち込める生活に満足しています.
サッカーは常に由紀とともにあり,人々ともサッカーを介してつながっています.
由紀は充実した人生,この生き方に満足しています.
作業の意味:サッカーは一貫して由紀の大事な作業です.
サッカーのない生活は考えられません.
サッカーを通して自分を表現し,人々と交流しています.
由紀にとって,生きるために,どのようにサッカーに参加するかが重要であり,
環境からの挑戦を受けて,適応するために(よい状態,wellbeingのために)
次に何をするかを選択してきました.
由紀が満足できるためには,力を十分に発揮してプレーする環境が重要です.
現在所属している社会人女子サッカーチームはよい状態をつくるために
そういう環境を提供しています.
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