作業としてバトミントンをすること
2024/3/25
前回のブログで,文子のバトミントンについて書きました.バトミントンに従事することが,どのようにして,文子がレクレーションとリラックスした時間を持てるように支え,文子の健康とウェルビーングを高めてくれたかについて書きました.
今日は,作業としてのバトミントンの見方と作業バランスについてもっとお伝えしたいと思います.以下の角度から見ていきましょう,
バトミントンをするという作業の形態,
その作業の機能,
バトミントンをするという作業の意味です.
バトミントンをするという作業を大きな作業の視野で見る(俯瞰する)ために,文子がバトミントンに従事しているところを想像してみましょう.
作業としてバトミントンをすること
<練習中の文子さん>
状況:
文子は60代女性,3世代家族の主婦です.
学生時代はテニスクラブに所属し,広い交流を楽しみました.
卒業後は保育士として働きましたが,結婚した時に仕事を辞めました. その後工場に勤務し,子育て,家事,仕事のために忙しい日々を送ってきました. 彼女は家庭では常に余裕がなくイライラして,仕事,家事,睡眠を
繰り返すばかりでした.
文子にとっての環境からの挑戦は,
文子は家族のために頑張ってきたが,家庭生活に疲れてイライラして,
健康とウェルビーングが全体的に悪影響を与えていたことです.
息子の友一が繰り返し文子を地域のバトミントンサークルに誘いました.
文子は遂に息子についてバトミントンサークルに行きました.
作業の形態:
文子は試しに地域のバトミントンサークルに参加しました.
地域の老若男女が毎週火曜日夜に小学校の体育館でバトミントンをします.
文子はこのサークルで自分が思ったよりずっと楽しい時を過ごしました.
毎週,次回のバトミントンを楽しみにするようになり,
10年間ほぼ休むことなく続けています.
若いメンバーたちともメールで連絡し合い,おしゃべりを楽しみます.
練習試合にも参加し,仲間を応援します.
その時は文子が提案したチームユニフォームを着ています.
火曜日のバトミントンに参加することは一週間の大イベントです.
バトミントンサークルに行けるように,火曜日は時短レシピを利用します.
「私のバトミントンはストレス発散と体力づくり!!」
作業の機能:
文子は家族のために頑張ることが良いことだと信じてがんばってきましたが,
自分が楽しめる時間はどこにもなく,余裕がなく,疲れてしまいました.
文子が家族のために一生懸命働いた結果,健康とウェルビーングの問題が出てきました.
これが文子への環境からの挑戦です.
これから,文子がバトミントンを使ってどのように環境からの挑戦に立ち向かったかを見ていきます.
バトミントンの参加には以下のような効果がありました.
―文子は日常生活を変えるように元気づけました.
―文子は楽しさ(リクレーション)とリラックスを経験しました.
―文子は次回も次回もバトミントンに参加することを楽しみにしました.
―文子は他の人たちと楽しみながら,主婦でも母でもない自分である作業を通して,
所属を展開することができました.
―結果,彼女の家庭生活にバランスを与え,文子の健康とウェルビーングを支えました.
文子は試しにバトミントンに参加しました.
身体を動かし,他の人々と楽しい時間を過ごしたことがきっかけで,次もその次もバトミントンに参加したくなりました.
彼女に生活を変えるように鼓吹しました.
自分のために楽しい時間を使ったのはずいぶん久しぶりのことでした.
文子が環境からの挑戦へ立ち向かう始まりになりました.
文子はバトミントンに参加した時とは別人です.
文子は,バトミントンに参加することを楽しみにし,確実に参加できるように火曜の夕食には時短レシピを使いました.
彼女のagency(主体性)が環境からの挑戦に立ち向かい,次の週もその次も楽しい時間を持てるように積極的に進めたのです.
文子は毎週火曜日のバトミントンの練習やメンバーとのメール連絡の人々との交流を通して所属を感じていました.
試合に参加し,仲間を応援しました.
自分が提案したチームユニフォームを着て応援することを通して,グループ内の結束はより確かなものになりました.彼女の所属感はより安定した確かなものになりました.
バトミントンに従事することを通して,文子は生活の満足感,充実感を高め,若い時に持っていた彼女のもともとの活力を回復しました.
バドミントンに参加して,家庭生活のバランスも改善しました.
作業の意味
皆さんは日本文化の女性の役割モデルである「良妻賢母」を聞いたことがありますか?
これは強い価値観ですが,多くの文化や国がこのような価値観を持っていると私は考えています.
文子は日本の3世代家族の母,妻として,よき妻賢い母であることを期待し期待されてきました.
バトミントンに誘われた時,文子は家事が忙しいことを理由に断りました.これは,家族のために頑張ることが自分のためにするよりも大切であるという彼女の価値観を表しています.これは,文化的価値が社会一般だけでなく,その女性自身に影響を与えていることの一例です.文子がどのように行動し,何をしようと選択するかはこの文化的価値に基づいています.文子も社会の期待,個人の期待の例外ではありませんでした.彼女は家族のためによい妻賢い母として長年頑張って若い時の活気を失っていました.
このような文化的価値に影響され,多くの女性が家族のために懸命に働き,自分のための時間がほとんどない余裕のない生活を送っています.
文子が文化的価値について考えているかいないかはわかりませんが,彼女はリクレーションを楽しみ,自分のためにリラックスする時間を持つために,バトミントンを使って,環境からの挑戦にパンチしたのです(立ち向かったのです).
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