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  • odawaraetsuko1

刺繍とガーデニング

2024/04/01

友人のサクラさんは耳下腺ガンの診断を受けました.

彼女は刺繍とガーデニングが大切な作業だと言い,

放射線治療後の回復期に経験した刺繡とガーデニング

の話をしました.

今日は,サクラさんの刺繍とガーデニングの経験について

お伝えします.

次回は,刺繍をする,ガーデニングをするという経験が

どのように彼女の復活を支えたのか,

これらの作業をもっと広い見方でお伝えします.


刺繍とガーデニング







<サクラが刺繍したポーチ>


サクラは50代まで仕事と家族の世話で忙しく過ごしました.

4人の子どもたちが親元を離れ,仕事が一段落したので

やっと自分の好きなことができると安心しました.

その時に,耳下腺ガンと診断されました.


サクラは切除術,移植術,放射線治療を受け,

体重が10㎏減少し,体力は消耗しました.

顎の下の移植したところは硬くなり締め付けるように痛みました.

放射線治療が終了し帰宅した頃は寝たり起きたりで過ごしました.

移植した顎の下は常に痛みました.

病気のこと,これから先のことが心配でした.

これから自分は何ができるのか,何がもうできないのかもわからず,

不安でした.

嫌な考えが浮かんで少しも落ち着きませんでした.

体力がなくて体はフラフラしましたが,

ゆっくり寝てなどいられませんでした.

サクラは何かせずにはいられません.

嫌な考えや痛みから逃れるために,

手を動かして何かをしたいと思いました.


サクラは刺繍を始めました.

小さなポーチにプリントされた花びらや 葉っぱに塗り絵のように糸を刺していきました.

好きな色を選び,針を刺していくと

痛みや嫌な考えから紛れられました.

少し刺して,疲れたら刺すのを止めて横になりました.

刺繍と休みを繰り返すと,すてきな花が できました.

サクラは何かができたことがうれしくなりました.

何にもできないわけではないのです.

明日も自分が刺繍しているのを想像して 明日も刺繍を続けられることが嬉しくなりました.

明日も生きて刺繍するのを楽しみに,

ゆっくり休みました.


刺繍に没頭している間は,痛みを忘れました.

これはいいことです.

没頭している間,サクラは嫌な考えや不安から紛れたのです.

楽しいから,サクラは明日も刺繍をするのを楽しみにしました.

サクラは明日もこれをして生きていられると思いました.

刺繍と休憩を繰り返すと,

数週間後には素敵なポーチが出来上がりました.


サクラは,体のしんどさや痛みについては家族や友達に話しません.

でも,自分は大丈夫だよと知らせるために,

刺繍したものをあげるのを楽しみにしています.

貰った人がポーチを喜んでくれたら,サクラは幸せでした.

褒めてくれたらうれしくなりました.































サクラはガーデニングが大好きです.

子育てと仕事が一段落して自分の時間がもてるようになったら,

ガーデニングを始めるつもりで,始められなかったので,

庭は殺風景で何もありませんでした.


少し体力がついてから庭に出てみました.

庭の土を触っていると気持ちが落ち着き癒されました.

草木は芽が出て,花が咲き,枯れるけど,

寒い冬を越すと春にはまた花が咲きます.

サクラは草木の成長のサイクルに元気づけられました.

世話をしていると,草木に癒され,元気づけられました.


サクラは以前のようには働きません.

今は週3日勤務が体調に合っています.

娘家族との3世代で住んでいますが,

若い子どものいる家族とは生活パターンが合いません.

孫たちは騒がしく,油っこい食べ物が好きですが,

サクラは対照的に落ち着いた生活がしたいし,好物は野菜と魚です.

彼女は3世代の家で,一人で食事をし,時間を過ごすことに満足しています.




今では,晴れた日は庭に出て,雨の日は刺繍をして過ごします.

草木に水をやりながら,花が咲いたら,誰にあげようかと考えます.


近所の人が自分の花に癒されるとよろこんでくれるとサクラは幸せです.

挿し木にしたいと言われたら,喜んで枝を切ってあげます.

刺繍をしたポーチやバッグや育てた花を人々にあげて,喜ばれるのが

サクラにはとても幸せです.

サクラは人生を楽しみ,100歳まで生きたいと思っています.

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