作業としての年末年始
- odawaraetsuko1
- 7月7日
- 読了時間: 3分
先日友人の加代が彼女の経験した年末年始についてインタビューで話してくれました。加代は年末年始(12月末から新年の期間)が家族や親戚と過ごす大切なものであることに気づいたと話してくれました。きょうは,以下の角度から作業としての年末年始の見方についてもっとお伝えします。
作業としての年末年始の形態
その作業の機能
そしてその意味
年末年始を広い作業のイメージで見て(俯瞰する)ために,加代が年末年始を過ごしているところを想像してみましょう。

初詣のイメージ

最近の加代の初詣
作業としての年末年始
状況:年末年始は日本の大切な年中行事のひとつである。12月末から新年の約1週間の間,会社,学校は休みになり,多くの家族が伝統的な年中行事で過ごす。その年の神様への最初の参拝を特に初詣と呼ぶ。大晦日から新年に神社で新年を迎え,神様に感謝し,先祖を敬い,人々の健康,幸福を祈る。象徴的な伝統行事である。正月には,家族や親戚が集まり,宴会を開き,食べ物飲み物を饗し,お互いに健康や幸福を祈り合う。
加代は東京在住,20代後半の常勤で働く作業療法士である。実家住まいである。
その作業の形態:子どもの頃は父方の郷里青森で大勢の親戚家族と年末年始を迎えていた。加代が成長すると,家族は年末年始を東京で過ごすようになった。子どもの頃のように,家族で初詣に行き,家族で正月を過ごした。しかし,加代が働き始めると,勤務のために年末年始が勤務になることがある。その場合,加代は一人で初詣に行く。その時,加代は寂しく,新年を迎えた気がしない。
その作業の機能:年末年始に,人々は郷里に帰省し,親戚家族が集まる。旧年の出来事を振り返り,新しい年の健康,幸福を神様に祈願する。人々は親戚家族と集合して,行う参拝や正月の行事を通して交流し,自分たちのアイデンティティーを再確認する。これらの作業は,親戚家族への所属感を育てる。それに参加した新しい世代に継承していく。加代は子どもの頃は,年末年始を多くの大人や子どもたちと過ごし,この家族に守られ,所属している感覚を育ててきた。加代の中で,その所属感は持続するので,加代は東京の初詣ででも親戚の人たちの健康幸福を祈る。家族が一緒に初詣,正月行事を行うことで,繰り返しアイデンティティーを再確認しては,将来に向かっていくことができる。加代は一人で初詣に行った時,アイデンティティーと所属感を再確認することが難しかった。彼女は孤立し,寂しく感じた。
その作業の意味:年末年始の作業は,加代に家族などのグループへの所属感を再確認させている。これらの作業を通して,彼女は保護され,安心感を持ち,アイデンティティーを繰り返し確認してきた。しかし,成長につれて,加代はいつか自立し,仕事や結婚を通して,新しいグループへの所属感を持つだろう。彼女はいつか家族を作り,別な役割につき,この家族に様々な責任を果たすかもしれない。



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